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前回、冷え性には3つのタイプがあります…という説明をしましたが、
東洋医学的にはその前段階的な「未病」という状態、
つまり本人に自覚症状が無い、
いわゆる「かくれ冷え」というべき状態があります。
東洋医学では、「気」・「血」・「水」という
3つの要素のバランスが健康の目安となります。
昔から「病は気から」という言葉通り、
まず最初に気が乱れて、それが高じると
血や水の異常につながることとなります。
冷え性の場合でいうと、
気の巡りが悪くなると精神的な緊張が高まり、
手足が冷えてきます。(自律神経症状)
次いで、血が「瘀血」というドロドロに滞ると腰から下が冷えてきます。
水が溜まりすぎて「水毒」の状態になるとお腹が冷えます。
気の乱れは未病という状態です。
出来ればその段階で対策を講じることが肝要です。
自覚症状が無いからといってほって置くと
次のような症状に繋がることがあります。
・身体の内部の体温が下がることで免疫力が低下する。
・基礎代謝が低下することで太りやすくなる。
・自律神経が乱れてむくみや肩こりが生ずる。
・内臓の働きが悪くなる。
・うつ傾向に陥る。
冷えの自覚が無くても、
・お腹がポッコリと出ている
・お腹を触るとおヘソより上の方が冷たい。
・腹筋運動ができない。
・足指じゃんけんができない。
そんな方は、要注意です。
ネギやニラ、生姜、シナモンなどの
香りの高い薬味やスパイスを摂るように心がけましょう。
冬じゃなくて夏に身体が冷えるとは?
近年の日本の夏の暑さときたら熱帯地方か、
下手したら湿度が高い分だけ却ってそれ以上かもしれません。
熱中症ならいざ知らず、その逆の冷え性って何故に?
実はその暑さが問題なのです。
逆説的かもしれませんが、
冷えは夏に作られているといっても過言ではありません。
暑い夏には、身体を冷やす環境が整いすぎているからです。
身体を冷やす要因の最たるものが、クーラーです。
高原や川面に吹く「天然のクーラー」と違い、
人工のものは身体にあまり優しくはありません。
それに、冷たい飲み物や食べ物。特にアルコール類。
急激に冷たいものを飲んだり、食べたりすると、
内臓の温度は一気に4度下がります。
つまり、身体の中から冷やしているわけです。
あと、見逃せないのがパソコンやスマホなどの電磁波。
体温調節を司る自律神経の
バランスを狂わせる可能性が指摘されています。
手足やお腹、腰まわりを露出させた服装なども原因の一つに。
夏に冷えが作られて、
その結果代謝が落ちて、
むくみ、だるさ、肌荒れなどさまざまな不定愁訴や、
なかには秋から冬にかけてぽーんと太る…
なんてことに繋がるケースもあります。
冷え性には大きく分けて3つのタイプが。
まず、手足が氷のように冷たくなる末端型。
そして、腰から下が冷えるタイプ。
あるいは、身体全体が冷えるタイプ。
タイプによってそれぞれ原因も対処法も異なってきます。
また、冷えによる自律神経の乱れから
むくみなどの症状が引き起こされることもあります。
それぞれの対処法は次回から。
早いもので、今日から9月になります。
小・中・高校、ほとんどの学生さん達は
夏休みが終わって2学期の始まりです。
(大阪など先週の月曜日から始まっている地区もあるようですが。)
夏休みが終わっても、まだまだ残暑厳しき折…と言いたいところですが、
今年は例年とはちょっと様子が違うようです。
列島にかかった秋雨前線の影響で、
シトシトとした雨が降り続き、
気温も30度を超えることはありません。
何だかこのまま、秋に突入してしまいそうな気配です。
外気温が30度を切ると大分楽に感じられます。
でもちょっと待って下さい。
よく考えてみると、以前私達が(私が)子供の頃は、
真夏でも28度とか29度くらいで、
最高に暑い日でも、せいぜい32度どまりだったはず…です。
以前の真夏の気温が涼しく?感じられる。
それだけ、昨今の暑さは異常だと言えます。
今日くらいの温度なら、
クーラーは無くても大丈夫な感じがします。
昔、朝夕地面に打ち水をして、
軒先に風鈴を吊るして、
夜寝る時は窓を開けて網戸にして、
たまに扇風機をつけるくらいで
何とかしのげたのもうなづけます。
(風呂上がりに汗疹に天花粉をつけたりして…。)
そう考えると前回、夏に甘酒を「常温」で飲んで下さい。
と書きましたが、この「常温」も大分変化してしまいます。
現代のような体温と同じくらいの気温が常温なら、温か過ぎます。
やはり、江戸時代くらいの気温が基準になるんでしょうね。
今は、冷たく冷やした飲み物といえば、
冷蔵庫に入れたり、凍らせたり…となるのですが、
昔はそんなものはありません。
せいぜい、流水に浸したり、井戸水につけたり…といった具合で
外気温より低いのが、「冷たい」の基準だったと思います。
現代社会は、過去私達人類が経験したことの無いほどの暑さに、
体験したことの無いほどの冷たいもの(クーラーや飲食物など)で
身体を傷めつけています。(決して大袈裟ではありません。)
そのために、夏なのに冷える、浮腫む。
胃腸の調子が思わしくない。
などの「自律神経症状」を訴えられる方が増えています。
次回からは、その対策について書いていきたいと思います。
長い夏の間に蓄積された疲れによって、
私達の身体に必要なエネルギーと栄養分は不足ぎみに。
そんな夏バテには、
何よりもアミノ酸とビタミンの補給が1番大切です。
そこでおすすめなのが、「甘酒」です。
夏に甘酒?
意外に感じられた方も多いと思います。
甘酒は、白米、米麹などで作られる
日本の伝統的な甘味飲料です。
お正月やお祭りの時など、昔から冬の寒さをしのぐ
温かい飲み物として重宝されてきました。
しかし、江戸時代になって庶民の間で
「甘酒は滋養になる。夏バテに効く。」という話が広まり、
甘酒売りが街を賑わす光景が風物詩となりました。
その頃から甘酒は「夏の季語」となっています。
甘酒は、米麹を発酵させたもので、
デンプン質を糖化させた
ブドウ糖が20%以上含まれている為、
甘い飲み物となっています。
本来アルコールは含まれていないのですが、
原料が同じで長時間発酵させると
そのまま「日本酒」になるところから
「甘酒」と名付けられたのでしょう。
お米の表面はタンパク質が多く、そこに麹菌が増殖すると
タンパク質分解酵素の働きにより、
タンパク質をアミノ酸へと変化させます。
また麹菌が繁殖する時に、
ビタミンB1、B2、B6、パントテン酸、イノシール、ビオチンなどの
天然型吸収ビタミン群が作られます。
つまり甘酒は、ビタミン、アミノ酸などの栄養素に加えて、
ブドウ糖も大量に含まれていて、
さしずめ「飲む点滴」と呼ばれたりします。
また、食物繊維やオリゴ糖が腸内環境を整え、
便秘や肌荒れの改善に。
さらにペプチドタンパク質を酵素で分解してできる物質が、
天然の降圧剤として、
本態性高血圧の人に効果があると言われています。
そのようなことから、甘酒は
「ジャパニーズヨーグルト」と呼ばれたりもします。
江戸時代に、水分と栄養分を同時に補給する飲み物として、
夏バテ防止に最も重宝されていた「甘酒」。
現代でも利用しない手はありません。
クックパッドを見れば、
いろいろな飲みやすいアレンジが載っています。
是非、常温で試してみて下さい。
長い間、暑さに晒されると体力が消耗し
結果、胃腸が機能低下を引き起こします。
胃腸の粘膜が収縮して、血流が滞り、
胃液の分泌も少なくなります。
すると、食欲が減退して
さっぱりとしたものしか受けつけなくなってしまいます。
例えば「今日のお昼はそうめんにでもしておこう。」みたいな具合に…。
とりあえず、お腹の中に入れておく…。
このようなことが重なってくると
栄養バランスが崩れてきて、
しまいには「体調不良」へと繋がってしまいます。
いわゆる「夏やせ」、胃バテの状態ですね。
しかも、暑い夏の日は
ついつい冷たいモノを口にしてしまいがちです。
というか、火照った身体を冷やす為に
ほぼ自動的?にとってしまう感じです。
これが一層、胃腸の不調に拍車をかけます。
特に冷たい飲み物は、
ただでさえ分泌量が減っている胃液を薄めて、
消化能力を極端に低下させる一因となります。
食べ物が消化されにくくなれば、
エネルギーの補給も十分でなくなり、
身体はどんどん深刻な状態へと追い込まれてしまいます。
さまざまな機能低下を引き起こす蓄積型の夏バテ。
長い夏の間に知らないうちに
不調の澱のように溜まっていってしまうのです。
お盆が終わり、台風が過ぎ去って、
朝晩の気温が少しずつ下がって来るこの時期、
逆に蓄積された夏の疲れが
一気にドッ〜と出て来ることがあります。
次回は、その対策について…です。
真夏の暑い日に、
私たちはどれくらい塩分を失っているのでしょうか?
とある実験結果があります。
5時間程、蒸し暑い部屋の中で普段通りの生活をした場合と、
1時間半程度、サッカーなどの激しいスポーツをした場合の
体外に排出される塩分量について…です。
前者が約2g程度で、後者の運動した方で約10g程です。
そう、予想以上に塩分は体外に排出されないものなのです。
特に、じんわりと汗をかいている場合には…。
ちなみに日本人の1日の平均塩分摂取量が約10.7g。
結構多い方です。
人間の身体は本来、
1日に約2〜3g程度の塩分があれば十分なのです。
熱中症予防の為に…と塩分を取りすぎると、
かえって高血圧の危険性が高まってしまうのです。
つまり、大量に汗をかいたときは、
塩分補給が必要なのですが、
大量に汗をかかない「日常生活」においては、
・塩分は普段の食事で十分。
・こまめな水分補給が大切。
というわけです。
では、具体的な塩分補給の目安は?
・30分〜1時間程、
運動や屋外での作業などで長時間汗をかいたとき。
・びっしり型の汗(玉のような汗)をかいたとき。
※玉のよう汗をかいたときは、汗を舐めてみて、
しょっぱかったら塩分が体外に排出されている証拠です。
びっしり型の汗の場合は、
塩分と糖分を一緒にとる(スポーツドリンクなど)と
水分の吸収が、より速くなります。
※最後に「日本高血圧学会」発表している
「夏の塩分摂取に関する提言」を記しておきます。
日本人の食塩摂取量は必要量をはるかに超えています。
夏でも汗を多くかいた場合を除いては、
塩分を過剰にとらないようにおすすめします。
特に高齢者の方はあまり大汗をかきませんので、
塩分をとると逆に健康を害することになります。
以上です。
人間は、汗をかくと水分と同時に塩分も排出されます。
その状態で「水分」のみを補給すると、
身体の塩分濃度が薄まってしまいます。
そうならないように、身体は
尿などで「水分」を追い出そう、追い出そうとします。
だから、水を飲んでも飲んでも、
身体の方は「水分」を排出する方向へと働きます。
その結果、熱中症になってしまうのです。
だから、「塩分」を補給しましょう…というわけです。
塩飴や梅干しを食べたり、スポーツドリンクを飲んだり…。
でも、「夏だから」、「汗をかいたから」…といって
「塩分」を意識して摂ることは、
実は正しいことばかりでは、無いのです。
身体の汗をかく部分(汗腺)には、
汗をかくときに塩分を身体から必要以上に排出しないように、
出ていこうとする塩分を身体に取り込もうとする働きがあります。
ですから、じんわりと汗をかいている状態などでは、
思いの外、身体から塩分は体外へと排出されてはいません。
しかし、スポーツなどの激しい運動や、
日中炎天下の元で作業をした時など、
大量の玉のような汗をかいた場合は、
汗と同時に大量の塩分を失うことになり、
汗腺の塩分を取り込む働きが追いつかず、
結果的に脱水による「熱中症」の危険性が高まるわけです。
つまり、塩分の補給は「汗のかきかた」によって
摂る必然性が異なってくるのです。
具体的なお話は、次回に。
高温多湿の日本の夏。
私達は昔から、季節に寄り添い順応することで、
この夏の暑さを何とか乗り切って来ました。
しかし、このところの暑さは、以前のそれとは明らかに異なります。
猛暑日などというほぼ体温と同じ気温が続いて、本当に過酷です。
それに今の時代、昔のように上手に
身体を変化させることが出来ない人も増えています。
それは、「クーラー」のせいもあります。
少し暑いだけで、すぐにクーラーのスイッチを入れてしまうことで、
季節に寄り添うことができずに、
じわじわと上がっていく温度に向き合えなくなってしまうのです。
(※クーラーを使うな、と言っているわけではありません。
現代ではそんなことは、とても無理な事ですから。)
そうすると熱を放出してくれる汗をうまくかけなくなってしまいます。
つまり汗腺の機能低下を起こすのです。
しかも日本の夏は、高温なだけで無く多湿な分、
余計に始末が悪くなります。
湿度が高いと、汗は蒸発しにくくなり、
熱を放出出来にくくなる為です。
この二重苦によって、熱が身体の中にこもり、
その熱にやって体力が奪われていきます。
いわゆるこれが、暑気あたり、夏バテと呼ばれる状態です。
一方、普段からスポーツをしたり、サウナやお風呂好きで
汗をかくことに慣れている人達もいます。
こんな人は夏バテしないのか、というとそんな事もありません。
なにせ、以前と違い暑さの質が違うのです。
体温に近い気温が続くと、汗をかきすぎて、
塩分やミネラルが大量に失われて、
体内の電解質バランスが崩れてしまいます。
その結果、非常に疲れやすくなり、
ひどい場合は低ナトリウム血症に陥ってしまうこともあります。
続きます。
お盆休み、皆様どう過ごされましたか?
今年は、戦後70年。
安倍首相の70年談話や、
戦争そのものを改めて検証する
報道や番組が数多くありました。
また、日航機墜落事故から30年が経ちました。
熱戦を繰り広げる高校球児達の戦いも
100回目の記念の大会を迎えました。
色々な意味で、節目となるこの夏。
この「当たり前」のように見える日常は、
果たして当たり前のことなのでしょうか?
私たちの心と身体が健康である為には、
その個々人の思い…だけでは無く、
地球が健康であること、
国家が平和であること、
地域や社会が健全であること、
その為には、そこに生きる人々の思念や教育、
歴史や文化が何より大切である…と
改めて考える機会が与えられた夏でもあったように思います。
今日17日から、杏林堂鍼灸整骨院も
通常通りに施術為せて戴きます。
宜しくお願い致します。
暑い日が続いています。
この数日、夕立ちならぬピンポイントの雷雨に見舞われて?
朝晩の気温は、幾分なりともマシになった感があります。
お盆の13日には、お天気も下り坂で
長らく続いた猛暑日も、とりあえずひと休み…の
予報が出ています。
杏林堂鍼灸整骨院も
明日13日(木)〜16日(日)まで
お盆休みとさせて戴きます。
患者さんの中には、
「お盆のお墓参りは、
あんまり暑いんで休まして貰って、
お彼岸にしますわ。
やっぱり、亡くなってる人より
生きてる人間の方が大事やからなぁ。
ご先祖さんも分かってくれてはるやろ。」
と話して下さるご高齢の方もおられます。
今年のこの暑さを考えると、なるほど一理あります。
そう、物は考えよう。
ようするに、気持ちの問題…だと思います。
熱中症に、そして夏バテに、充分に留意されて
このお盆休みを「楽しく」お過ごし下さい。
17日(月)から平常通り施術いたします。
宜しくお願いいたします。