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先週の土曜日、
関西に春の訪れを告げる風物詩でもある、
奈良東大寺二月堂のお松明、
いわゆる「お水取り」が無事執り行われました。
3月14日は、ホワイトデーでもありましたし、
今年は北陸新幹線の開通や、
トワイライトエクスプレスを始めとする
ブルートレインのラストランなどとちょうど重なった為に、
全国的な話題としては、
何だか影の薄い扱いとなってしまいました。
それでも、御多分に洩れずこの春も、
「お水取りの期間中は冷え込む。」とか
「お水取りが終わらないと暖かくならない。」
という言い伝え?通りの展開となりました。
先週は、雨や雪が降り、冷たい風が吹く日が続いていましたが、
週が開けると一転、
20°Cを超えて暖か過ぎるぐらいの陽気になっています。
春になって暖かくなるのは良いのですが、
問題は「花粉」です。
一年中で一番好きな季節は?という質問で、
今まで圧倒的に「春」と答えていた方が多かったのが、
ここ最近特に若い世代を中心に
「秋」に移行してきている傾向にある…という
アンケート結果をネットか何かで見かけました。
何でもその理由というのが、
「秋は花粉が少ないから。」だそうです。
これからが一年中で一番ウキウキする季節なのに、
花粉症のある方にとっては逆に、グズグズして
一年中で最もつらい時期を迎えることになってしまいます。
体質や生活習慣、治療や予防などの
対策を講じることも当然、必要なことでは有るのですが、
もう此処まで来れば、個々人の問題だけでは無く、
立派な社会問題だと言えると思います。
「お水取り」は、「天下泰安」、「五穀豊穣」を祈る法要行事です。
昔から各地で行なわれるお祭りや年中行事、
神事や法要行事などのほとんどが、
豊作を祈り、また感謝し、
国家や天下の安泰を祈願したり、
一年間の無事息災を願い厄除け、邪払いをしたり…
といったことになります。
つまり、祭事・政(まつりごと)の基本は、
「豊かで、健康で、安全、安心に暮らす。」ことを
祈り、感謝し、また、務めること…と言えるのではないでしょうか。
そして我々、庶民の願いも同じです。
4月には、全国で地方統一選挙が施行されます。
政治家の皆様方、
国民の健康、そして環境対策、国土の保全、
水や食品の問題、
地方創生や経済活動に与える影響…などの観点から
考えて頂いて「花粉症」の問題、
何とか為らないものでしょうか?
近年問題となっている、オゾン層の破壊や
気候温暖化による…と言われる異常気象。
「外因」である気象変化は、
今年も「三寒四温」とは言い難い、
あまり優しく無い「季節の移り変わり」を呈しています。
また人間の側から言えば、
整った住環境で、一年中エアコン等で管理され、
またヒートテックなどに代表される衣類の発達によって、
却って人間本来の持つ気象環境に順応し、
対応する能力そのものが低下してしまっています。
その結果、気候の変化そのものよりも、
気圧や湿度、温度差などによるアレルギー症状や、
頭痛、冷え性などのいわゆる
「自律神経」の失調が原因とされる症状が、
顕著になっています。
また、過度な感情の変化に起因する「内因」においても、
怒りや悲しみをストレートに表現したことにより、臓腑を痛める…というよりも
逆に、上手に表現出来ずに我慢したり、
溜め込んだり、いつまでも囚われている為に、
本当の自分の気持ちが解らなくなってしまったり…。
また、社会的要因による過度なストレスに長期間晒された為に、
いろいろな事柄に過剰に反応してしまったり…。
心身症やうつ病など、
その様相は複雑なものになっています。
そのほとんどに関連するのが、
「自律神経」の失調という問題です。
現代人にとって快適に、健康に過ごす為のポイントは、
如何に「自律神経」を整えるかに掛っている
と言っても過言ではない…と思います。
不内外因(生活習慣)には、あと「体質」や
打撲、捻挫、骨折、切り傷などの「外傷」も含まれます。
体質には、気の滞った状態である「気滞」や、
水分の流れや代謝が滞った状態、
つまり津液の停滞によって生じる「痰飲」、
血の停滞による「瘀血(おけつ)」などがあります。
いずれも、(気・血・津液)の滞った、
余分なものがある状態=「実」のことを言います。
※「痰飲」や「瘀血」については、
また改めて別の機会に詳しく説明します。
東洋医学でいうところの病気の原因=「邪」について、
2月の初めから約1ヶ月かけて書いて来ましたが、
これで一先ず終了となります。
*七情(喜・怒・思・悲・憂・恐・驚)の過度な変化によって、
身体の内側から起こり、臓腑を痛める要因となる「内因」。
*自然界の気候変化により、
外部から発病させる要因となる「外因」。
代表的なものに六邪(風邪・寒邪・暑邪・湿邪・燥邪・火邪)がある。
*内因にも外因にも属さない病因である「不内外因」。
日常生活を営むなかで生じるものである。
中国三千年の歴史、
漢方(東洋医学)で説明されている「病因」は
上記の3つに集約されるわけですが、
現代でもそのまま応用出来るものと、
その「昔」とは少し変容している場合とがあるように思われます。
昔では有り得なかった、
パソコンやスマートフォンなどによる「電磁波」。
そして、「放射線」。
また、食品に含まれる「添加物」、「農薬」。
大気中の「汚染物質」や、その他の「化学物質」。
「アレルギー物質」。
はたまた「交通事故」など。
これらも「不内外因」と呼べるのではないでしょうか。
「内因」や「外因」の場合でもそうです。
次回に続きます。
前回、不内外因(生活習慣)の一つとして
「労逸」の説明をしました。
働き方の問題、つまり働き過ぎも休み過ぎも、
どちらも「過ぎる」のは良くない…ということでしたが、
東洋医学では、その「内容」についても言及しています。
それは、同じ動作や姿勢を長時間続けること…についてです。
繰り返し続けられる行動を5つのパターンに分類し、
それぞれの行動が「五臓」や「器官」に
与える影響について説明されています。
その5つのパターンを「五労」と言います。
「五労」とは、
⑴久行(きゅうぎょう)
歩き(動き)続けること。
五臓の「肝」に影響を与える。
器官の「筋」に影響を与える。
⑵久視(きゅうし)
目を長時間酷使すること。
「心」に影響を与える。
「血」に影響を与える。
⑶久座(きゅうざ)
座り続けること。
「脾」に影響を与える。
「肉」に影響を与える。
⑷久臥(きゅうが)
長時間寝る、寝たきりになること。
「肺」に影響を与える。
「気」に影響を与える。
⑸久立(きゅうりつ)
立ちっぱなしでいること。
「腎」に影響を与える。
「骨」に影響を与える。
の5つを指します。
最近の働き方としては、
より細分化、専門化されていき、
その為に同じ姿勢で同じ動作を
長時間繰り返し続けることを強いられがちになっています。
事務仕事などのデスクワークでは、
一日中座りっぱなし(久座)で、
パソコンで目を酷使(久視)しますし、
製造業や販売業などでは、
立ちっぱなし(久立)のことが多いですし、
営業で歩き回り(久行)、車の運転(久座、久視)
が長時間続いたり…と
「五労」のオンパレードです。
その結果、
血流が悪くなったり、
気が滅入ったり、
関節を痛めたり、
筋肉が引き攣ったり、
内臓の働きが弱ったり…
といった症状が表れる原因となっています。
出来るだけ、同じ動作や姿勢を長時間続けないこと、
時間を決めて「リラックスタイム」を作ること…などで
「五労」に対しての「予防」を心がけましょう。
前回は、不内外因(生活習慣)の内、
飲食不節(食べ方の問題)について書きましたが、
あと一つ大きな要因として、「労逸」が挙げられます。
「労逸」とは、
過労を表す「労倦」と、安静を表す「安逸」を組み合わせた言葉で、
働き方の節度を示すものです。
働き過ぎはもちろんのこと、
働かなさ過ぎ(休み過ぎ)もまた、
心身に負担が掛かり、病気の原因となる…というわけです。
「労逸」には、次の4つがあります。
・労力過度
仕事や勉強、はたまた遊びなどが過剰で「過ぎる」と、
気血を消耗し「心身」ともに疲労する。
・心労過度
考え、悩み過ぎることで精神的疲労になること。
「脾」と「心」の失調により、
動悸や食欲不振などを引き起こす。
・房事過度
性生活の過度による疲労。
「腎精」を消耗し、
腰痛や膝痛、耳鳴り、無月経などの症状が表れる。
・安逸過度
休み過ぎの怠惰な生活は気血を停滞させる。
「脾・胃」の働きが衰え、
やる気や食欲が湧かなくなる。
つまり、我々人間は、仕事にしろ、遊びにしろ、
また休むときも、悩むときも、性生活を営むうえでも、
「過ぎたるは猶及ばざるが如し。」で、何事も「過ぎる」と、
それは病気の原因=邪になってしまう…というわけです。
自分自身でコントロール出来る部分も、出来ない部分も、
また好むと好まざるとにかかわらず、
何事もほどほどに、
こちらも「腹八分目」が肝要なことは、
間違いありません。
食生活の乱れは、
「不内外因」のなかでも特に、「病因」となりやすく、
飲食の節度が無くなった状態を「飲食失節」と呼びます。
飲食失節には、大きく分けて次の3つが有ります。
・飢飽失常…食べ過ぎや、食が細過ぎる状態を指す。
・飲食不潔…読んで字の如く、不衛生なものを食べること。
・偏食…刺激物や味、性質の似通った食材を食べ続けること。
つまり、飲食の「質」と「量」の適、不適の問題です。
まず、「量」が少なすぎる「小食」は、
栄養が足りず(栄養失調)、
「気」・「血」・「津液」の不足や、
身体の抵抗力(正気)の低下を招きます。
また、「量」が多すぎる「大食・過食」は、
脾胃などの臓腑に負担がかかり、
気・血・津液の流れが滞ったうえに、
下痢や便秘などの消化不良を引き起こします。
「質」の偏り=偏食では、
・冷たいもの、甘いもの
消化機能の低下による下痢や腹痛。
身体を冷やす。
・油っぽいもの、味の濃いもの
消化不良による下痢や腹痛。
・辛いもの、熱いもの
乾燥や便秘を招く。
栄養に気をつけ、規則正しくきっちりと食べること、
過不足や好き嫌い無く食べること…。
「正しい食生活」は、健康な身体を維持する上での
基本中の基本…であることは、誰もが認める
「あたりまえ」の事柄ですが、いざ実行しようとすると、
なかなか大変な作業ではあります。
夜型となった現代人にとっては、決められた時間に
きちんと食事をすること自体が難しくなっています。
外食も多く、どうしても味の濃いものや
油っぽいものを摂りがちです。
また、巷にグルメ情報も氾濫し、ついつい乗せらて
食欲中枢が刺激されてしまいがちです。
また、ストレスによる「どか食い」や「深酒」、
無理なダイエットなどによる偏った食事パターン…など
「あたりまえ」な食生活とは、ほど遠いものとなりがちです。
食べることは、自らが「生きる」為に、
他の「いのち」を感謝して「いただく」こと。
この原点に立ち返って、
まずは「腹八分目」を心がけてみましょう。
東洋医学で言うところの「邪」
すなわち病気の原因の内、
・七つの感情(七情)の過度な変化が引き起こす「内因」。
・自然界の異常な気候変化(六邪、六淫)が引き起こす「外因」。
について説明しましたが、
それ以外にも内因にも外因にも属さない「病因」があります。
それを「不内外因」と呼びます。
「そのまんまじゃん!」と思わず声に出してしまいそうになりますが、
本当にそのままです。
では、その「不内外因」とは具体的に、
どのような事柄をさすのでしょうか。
それは、タイトルにも挙げたように「生活習慣」、
即ち毎日の日常生活を営む中で発生する
「病因」のことを指します。
主なものに、
・飲食失節
・労逸
・五労
・体質
・外傷
などがあります。
「飲食失節」とは、食べたり飲んだりといった行為に
節度が無くなった状態を言います。
「労逸」とは、過労を表す「労倦(ろうけん)」と、
安静を表す「安逸(あんいつ)」を組み合わせた言葉で、
労働の節度を示しています。
また、上記以外にも種類が多く、
多産や無産、高齢出産、若年出産、
過度の飲酒、食中毒、体質に合わない薬やサプリメント、
事故などが挙げられます。
どれもある程度、自分自身で
コントロール可能なものが多い…とも言えます。
しかし近年では、昔では想像も出来無かったであろう
様々な事象も挙げられるようになっています。
例えば、「放射線」や
パソコンやスマートフォンなど…の「電磁波」。
また、食品に含まれる「添加物」、「農薬」。
大気中の「汚染物質」や、その他の「化学物質」など。
数え上げれば、キリがありません。
その辺のところは、一先ず置いておくとして
(本当は大変な問題ではあるのですが…。)、
漢方的には「不内外因」の中でも、
特に病気の原因となりやすいとされている
食生活の乱れ=「飲食失節」について
説明していきたいと思います。
※次回に続く。
・「恐・驚は腎を傷る。」
恐がり過ぎると「気」が下がり、
驚き過ぎると「気」が乱れ、
共に「腎」を傷つけます。
東洋医学で「腎」の役割は、
泌尿器系の排泄機能だけ…ではありません。
生命エネルギーの根本「腎精と命門」を主る…
ものとされています。
「腎」には、生命力(エネルギー)が貯蔵されていて(「臓精」を主る。)
成長と老化、発育や生殖などに関与しています。
その為、腎が傷むと下半身の冷えや痛み、
排尿のトラブル、視力や聴力の低下、
体力や生殖機能の低下などの症状があらわれます。
よく恐ろしい思いをした時に、下半身に力が入らずに、
いわゆる「腰が抜ける」状態になったり、
ひどい時は「失禁」したりすることがあります。
恐怖で、腎の「気」が下がり、下にもれてしまう為です。
また、驚き過ぎると「気」が乱れ(気が動転する)、
パニックとなり正常な判断が出来なくなってしまいます。
その為、動悸や不眠、物忘れなどの症状があらわれます。
「恐」が過ぎると
・「気」が下がる。
「気が重い」、「気が沈む」などとも表現する。
「驚」が過ぎると
・「気」が乱れる。
「気が動転する」、頭から「血の気が引く」などとも表現する。
(エネルギー的には、重い感覚。
特に下部に偏る感じがある。何となく黒っぽい。)
・「腎を傷る」
腎の変調により、腎の気を貯蔵することが出来なくなり、
気を下降させてしまいます。
また、気が乱れることにより精神に混乱を生じさせます。
<症状>
・大小便の失禁
・白髪の増加
・下半身の冷え
・体力の低下
・生殖機能の低下
・動悸
・不眠
・物忘れ
・精神錯乱など
となります。
次回からは、「不内外因」について…です。
・「悲・憂は肺を傷る」
悲しみが過ぎると「気」が消え、
憂いが過ぎると「気」は縮み、
ともに「肺」を傷つけます。
深い悲しみや憂いに長く囚われていると、
肺の気を消耗し「意気消沈」させて気力が無くなります。
また、「心(胸)が痛む」ことから、
咳、息切れ、ため息、胸苦しさなどの症状があらわれます。
「肺」には、「気を主る(つかさどる)」作用があり、
呼気・吸気の「呼吸の気」を以って、
「一身の気」の気機(気の働き)に関与しています。
つまり、各臓腑の「気」を呼吸によって
調節する役割を担っているのです。
その為、深い悲しみや憂いは
「生きる(息をする)気力」を奪うことになります。
そして、「肺」は呼吸を通して鼻や皮毛と関連する臓器で、
五臓六腑の中で「外邪」の影響を真っ先に受けます。
その為、「悲」や「憂」によって「肺」のバリアが傷られると
「外邪」の侵入を許しやすくなります。
また、「肺」は「脾」によって運ばれた水(津)液を
全身に巡らせる働きがありますが、
憂いが過ぎるとそれを妨げます。
「悲」が過ぎると
・「気」が消える(不足する)
「憂」が過ぎると
・「気」が縮む(気を揉む)
(エネルギー的には、小さく軽く、希薄な感じ。
時に、ひんやりと感じる。)
※気が不足することを「けがれ」(気枯れ)と呼びます。
・「肺」を傷つける。
肺の変調は気と津液の巡りを妨げるようになり、
やがて脾も傷つけます。
<症状>
・咳
・息切れ
・ため息
・胸悶感
(胸苦しさ)など
となります。
次回は、「恐」・「驚」について…です。
・「思は脾を傷る」
「思」が過ぎると、「気」は停滞し、
「脾(ひ)」を傷つけます。
思とは、思慮、思考のことです。
思慮、思考することは人間として
正常な精神活動なのですが、
「考え過ぎる」と病気の原因となります。
「脾」には、「運化作用」といって食べた物を
消化吸収し、そして運搬する働きがあります。
そして、もう一つ「統血作用」という
血液が血管から漏れないようにする働きもあります。
漢方的な「脾」は、
いわゆる西洋医学で言われるところの「脾臓」とは違います。
あれやこれやと思いを巡らせ、
いつ迄もクヨクヨ考え過ぎると
気が滞り、脾に影響を与えます。
脾の運化作用が弱まり、
食欲不振やお腹が張るといった症状があらわれます。
ひどくなると、胃下垂や子宮脱、脱肛になったりします。
また、女性の場合は「思い煩ひ」から脾の統血作用が低下し、
不正性器出血を起こすことがあります。
「思」が過ぎると
・「気」が結ぶ(うっ滞する)
気がかたまる(気がふさぐ)とも言う。
(エネルギー的に動きの無い、滞った(塊りがある)感じになる。)
※割り切る、思い切る、開き直る…などの言葉通り、
エネルギーを切って開いて動かす。
・「脾(ひ)」を傷つける
脾の持つ「運化作用」、「統血作用」が弱まり、
消化吸収を損なう。
<症状>
・腹痛
・食欲不振
・膨満感
・軟便
・胃下垂
・不正性器出血など
となります。
次回は、「悲」・「憂」について…です。