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日別アーカイブ: 2015年4月11日

乾熱と湿熱

前回、食材を加熱調理する際の「熱」の種類には、

「乾熱」と「湿熱」の2つがある…というお話をしました。

 

 

乾熱とは、食材に含まれている「水分」を奪いながら、

加熱する調理法のことで、「脱水調理法」と呼ばれます。

 
焼く、炒める、揚げる調理法がこれに当たり、

調理温度は100℃を超えます。

 
湿熱は、食材に「水分」を加えながら、

加熱する調理法のことで、「加水調理法」と言います。

 
蒸す、茹でる、炊く、煮る調理法がこれに当たり、

調理温度は100℃を超えません。

(圧力鍋は、例外です。)

 

 

以上のことから考えると、加熱温度が高く、

「陰性」の水分を奪う脱水調理法である「乾熱」の方が、

より「陽性」になり易い…ように思えますが、

実は必ずしもそうとは言えないのです。

 

 

理学療法科学学会が2010年に発表した論文では、

人体を熱エネルギーで刺激する「温熱療法」の内、

「乾熱式」(電熱式)のホットパックと、

「湿熱式」のホットパック

(加湿器で蒸したシリカゲルやベンナイト入りの袋)

とを比較した場合、「筋硬度」が、
湿熱式の方が乾熱式より有意に低下した…

という結果が得られています。

 

 

湿熱の方が、

より筋肉を軟らかくし、血管を拡張させる…というわけです。

 
つまり、湿熱の方が生体への熱伝導が大きいのです。

 

 

これは何故かと言うと、

生体では含水率の高い組織ほど加温され易く、

深部の筋組織まで伝導するには時間がかかる為です。

 

 

身体が凍えるような寒い日は、

ストーブや暖炉の「火」が直ぐに熱を伝えてくれますが、

そう長くは立ってられません。
そして、その場を離れるとすぐに冷えてしまいます。

 
その点、「温泉」なら長く浸かれることが出来て、

上がった後もポカポカと温かさが持続してくれます。
身体の「芯」まで温もった感じがします。

 

 

つまりは、「湿熱」の方が「乾熱」よりも

熱伝導という点に於いてはより「陽性」となる…と言えます。

 

 

そういうことから考えると、

お肉なんかはミンチにして先ず表面を加熱した後に、

オーブンにかけて、その上で長時間ソースで煮込んだ

「煮込みハンバーグ」などは、超陽性な代物だと言えるでしょう。
(お肉料理が、体質改善に「適」かどうかは別として…ですが。)

 

 

次回は、「陽(ひ)」について…です。