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・「思は脾を傷る」
「思」が過ぎると、「気」は停滞し、
「脾(ひ)」を傷つけます。
思とは、思慮、思考のことです。
思慮、思考することは人間として
正常な精神活動なのですが、
「考え過ぎる」と病気の原因となります。
「脾」には、「運化作用」といって食べた物を
消化吸収し、そして運搬する働きがあります。
そして、もう一つ「統血作用」という
血液が血管から漏れないようにする働きもあります。
漢方的な「脾」は、
いわゆる西洋医学で言われるところの「脾臓」とは違います。
あれやこれやと思いを巡らせ、
いつ迄もクヨクヨ考え過ぎると
気が滞り、脾に影響を与えます。
脾の運化作用が弱まり、
食欲不振やお腹が張るといった症状があらわれます。
ひどくなると、胃下垂や子宮脱、脱肛になったりします。
また、女性の場合は「思い煩ひ」から脾の統血作用が低下し、
不正性器出血を起こすことがあります。
「思」が過ぎると
・「気」が結ぶ(うっ滞する)
気がかたまる(気がふさぐ)とも言う。
(エネルギー的に動きの無い、滞った(塊りがある)感じになる。)
※割り切る、思い切る、開き直る…などの言葉通り、
エネルギーを切って開いて動かす。
・「脾(ひ)」を傷つける
脾の持つ「運化作用」、「統血作用」が弱まり、
消化吸収を損なう。
<症状>
・腹痛
・食欲不振
・膨満感
・軟便
・胃下垂
・不正性器出血など
となります。
次回は、「悲」・「憂」について…です。