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七つの感情(七情)は、臓腑を傷つけますが、
なかでも心、肝、脾の臓器に
影響を与えやすいと言われています。
とりわけ、「心」は五臓六腑の中心であり、
精神の変化はまず心の機能に影響を及ぼし、
各臓腑に波及していくとされています。
七情のうちから、先ずは「喜」について…です。
「素問」陰陽応象大論篇には、「喜は心を傷る」とあります。
喜び過ぎると「気がゆるみ、心を傷つける。」というわけです。
七情のなかでも他の感情、例えば「怒」や「悲」などは、
内臓の働きに影響を及ぼすと言われても
何となく納得出来るのですが、
「喜」=喜びの何が良くないというのでしょうか?
内因でいう「喜」とは、過度の喜び…のことです。
宝くじで3億円が当たって、狂喜乱舞のあまり心臓発作で倒れたとか、
喜び過ぎて精神が興奮して夜眠れなくなった…などの「喜び」です。
「心」には、五神(神気)のうちの最上位にあたる「神」が宿り、
心拍動や呼吸、知覚や精神活動、
手足や顔の表情などを正しく行わせるといった
生命活動維持を支配する働きがあるとされています。
※五神については、また別の機会に説明します。
つまり、東洋医学的な「心」とは、
心臓そのもの働きだけで無く、
自律神経機能や間脳、視床下部を含めた
「視床」の働きも合わせて指したもの…と考えられます。
そのことを念頭において
「喜」が過ぎると…
・「気」はゆるむ。
(口元が緩む。笑顔が弾ける。喜びが溢れる…のように
エネルギー的には、拡張傾向でふわふわとした感覚。)
・「心」を傷つける。
心の持つ「神」の働きが衰え、
不眠や不安など、精神活動に影響を与える。
<症状>
・集中力の低下
・不眠症
・不安神経症
・精神錯乱など
となります。
次回は、「怒」について…です。