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「潔くある為に必要なものは何か?」
院長先生は、こう続けられました。
「それは、覚悟だよ。」
「そう言われると、皆んな「なぁんだ。」と思うだろう。
潔さと覚悟を決めることって、何となく似通った感じがするからな。」
「じゃあ、改めて「覚悟」とはどんな意味なのか。
皆んな解るかい?」
「覚悟の「覚」は、覚り(さとり)で、「悟」も悟り(さとり)。
つまりは、ダブルのさとりってことだな。」
「でも、覚りと悟り。この違いは、解るかい?」
「覚りの方は、感覚の「覚」で、いわば感覚的に理解する。
直観的に気づきを得る。ということだ。」
「悟りの方は、経験によって知識を身に付ける。
いわば、智恵による気づき。」
「また、覚には宇宙の真理を覚る。
自分以外の世界の成り立ちを知る。という意味もある。」
「つまり「覚」は、直観的に宇宙の真理を覚る。と為る。」
「かたや「悟」は、吾(われ)という文字が表すように、
自分自身のことを悟る。自分自らが悟る。と為る。」
「これ等を全部合わせて考えると、
覚悟とは、世の中の成り立ちを知って、
自分がどうするのかを自ら決めること…。だと言える。」
「よく人間は、覚悟するだの、覚悟を決めるだのって、
簡単に口によるけれど、本来は其処に
「気づき」や、「さとり」といったものが無いと
空回りしてるのと同じことだ。」
「本当の意味で、覚悟が決まった人の行い、
生きざまは清々しくも潔い。と言えるだろう。」
「男らしさは、潔さ。なんてさっき話をしていたが、
これは何も男だけに限ったことじゃあ無いなあ。」
「少し長くなったが、覚悟の意味。分かったかな?」
「ああっ、そうだ。もう一つ
大切な意味があったのを忘れていたよ。
いや、これは今言わない方が良いだろう。
自分で気づく、いわば悟り。
つまり、宿題だな。
まあ、ヒントだけ。
「覚るを悟る。」ということで、
今日はお開きにしようか。」
「ええ〜。そんなぁ。」
続きます。