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六甲山の恵み

私たち阪神間(特に、神戸、芦屋、西宮、宝塚市)に住む者は、

六甲山の恩恵を受けて暮らしています。

 
山の南側に広がる市街地は、

山系に源を発する河川によって形成された

合流扇状地に沖積された土砂によって

出来上がっているからです。

 
そういった意味では、最も重要なものの一つは、

六甲山の「水」と言えます。

 
六甲山は花崗岩が主体の山塊で、

山に降った雨が長い年月をかけて浸透し、濾過された水が

伏流水として地下を流れる多くの地下水脈があって、

ミネラル分の多い湧水となっています。

 
特に西宮から湧出する「宮水」は、

日本酒造りに適していて、

日本一の酒造業地帯である灘五郷には

欠かせない名水として知られています。

 
六甲の美味しい水…ですね。

 

 

しかし、六甲山は風化花崗岩で出来た地質であるため、

地表から草木が除かれ土壌が流出すると、

雨によって崩壊しやすくなっています。

 
実際、昨年も台風の影響で長い期間、

芦有道路が封鎖される土砂災害がありました。

 
芦屋川が氾濫し大きな被害が出た

昭和13年の阪神大水害を記憶されていて、

お話しをして下さる患者さんも居られます。

 

 

対策として、その翌年から大掛かりな
砂防ダムの設置が本格化し、

六甲山は全国的にも砂防のえん堤が多い山

(約1000個)になっています。

 
六甲の水は「恵み」でもあり、

脅威でもあり得るのです。

 
しっかりとした治水とお山の管理といったものが

必要不可欠なわけです。

 
続きます。