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「腸内フローラ」という言葉をご存知でしょうか?
イギリスの科学誌「Nature」で特集の増刊号が出版され、
そして2月22日には、NHKスペシャルでも特集され、
話題となりました。
最近では、健康雑誌で取り上げられたり、
関連商品(?)が発売さるたりと、
ちょっとしたブームの様相を呈しています。
では、そんな腸内フローラとはいったいどんなものなのでしょうか?
私たちの腸内には、たくさんの「細菌」が棲みついています。
その数は100種類以上、
個数にして約100兆個にもなると言われています。
人体の総細胞数が約60兆個であることと比べても、
その倍近い数が腸の中に生息していることになります。
総重量にして約1〜1.5kgで、
これは最大の臓器である肝臓とほぼ同じ重さです。
この腸内細菌が、
特に小腸の下部(回腸や空腸)から大腸にかけて、
多種多様な菌群が種類ごとにまとまりとなって、
ビッシリと腸内に壁面を作って生息しているのです。
その様相が、まるで植物が種類ごとに
集団を作って群生している、いわゆる「お花畑」に例えられ、
「腸内フローラ」と呼ばれているのです。
(※腸内細菌叢とも呼ばれる)
※「叢(そう)」=草むら
もともとフローラ(Flora)は、
分類学上の用語で、「植物群集」を指します。
かつては、細菌が植物の中に分類されていたために
そう呼ばれています。
また、ギリシャ神話の「花の女神」の意味もあります。
腸内フローラの様相、
つまり腸内に生息している細菌群の種類は、
人間がそれぞれ顔や個性が違うように、
1人1人まったく異なる「お花畑」となっています。
また腸内フローラの状態は、
生活習慣や年齢、ストレスなどによって変化します。
腸内細菌それぞれが、
互いに必要な物質を供給し合い、共生している様は、
まるで完成されたエコシステム、
あるいは1つの「小宇宙」とも言える空間を作り出している…。
それが「腸内フローラ」なのだそうです。