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黄色い砂

「東風吹かせ、臭いともども、かえしたい、
黄砂PM、ついで花粉も」

 
これは、ある関西人の心の歌です。

 
日本海の海上に、超巨大強力扇風機を設置して、

送り返してあげますよ…というものです。

 

 

黄砂は、中国の黄河流域にある

砂漠地帯から飛んでくる砂で、

実際「黄色い」色をしています。

 
五行色体表によると、

木・火・土・金・水の順番に、

「五色」が青・赤・黄・白・黒で、
「方角」が、東・西・中央・南・北となります。

 

 

もともと、この「五色」は中国(大陸)の

それぞれの方角の土壌の色に基づいて決められた…
と言われています。

 
つまり、中央の砂地が「黄」、

東側の赤土、北側の黒土という具合です。

 
古代中国では、

漢民族の住む「中央」は、「黄帝」の位置を表し、

中央の華(はな)と自ら称していました。

 

そして、その他の四方にある地域に居住していた「異民族」を、

東夷(とうい)、西戎(せいじゅう)、南蛮(なんばん)、北狄(ほくてき)と

蔑称で呼び、区別していました。

 
つまり、中華(華の中)と華の外の世界があるという思想です。

 
これが所謂「中華思想」と呼ばれるもので、

漢民族(漢人)が世界の中心(天子)である…という考え方です。

 
そして、そんな世界の中心(天子)の国から、

毎年「春」になると贈り物が届きます。

 

偏西風に乗せて、「極東」の日出ずる国日本に、
位の高い色である「黄色い」砂のプレゼントです。

 

しかしこの届け物、受け取る側にとっては、
まったく持ってありがた迷惑な代物です。

 
黄砂だけなら「自然現象」となるのですが、

ついでに「化学物質」がトッピングされて来たり、

PM2.5までラインナップに加わったりすると、

この時期「花粉」と合間ってまさにトリプルパンチ(三重苦)です。

 
本当に何とかして欲しいものです。
とは言え、現実的には自分達で予防し、

対策を講じるしか仕方ありません。

 
「もう結構ですから、これからはお気遣い無く。」

と言っても理解してもらえませんし、

かと言ってこちらから「東風」を吹かせてみても、

あちらにとってはきっと「馬耳東風」といったところでしょうから…。