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・「怒は肝を傷る」
怒り過ぎると「気」は上がり、
「肝」を傷つけます。
ご存知の通り、
肝臓は血液を貯蔵する働きが有るのですが、
漢方的にはそれだけでは無く、
自律神経のバランスを整える働きも
担っている臓腑とされています。
「肝は疏泄(そせつ)を司る」と言い、
胃腸を始めとした五臓全体の維持や
感情調整、血液保存などの大切な役割があります。
しかし、七情の中の一つである「怒」が、
「肝」を傷ると
肝の持つ「気」の疏泄機能に変動が生じ、
「気」が「血」を伴って
頭に上昇したまま下がらなくなります。
怒りの表現でよく「腹が立つ」と言いますが、
この「立つ」は立ち上がる≒上昇する…
を意味します。
そして上昇した「気」は、「頭にくる」のです。
「気」が「血」を伴うと、
「頭に血がのぼる」状態となり、
脳卒中などを誘発することもあります。
さらに進行すると「心」に影響を与え、
不眠や動悸などの症状があらわれたりします。
(「怒り心頭に発す」と言います。)
※怒り新党では、ありません。
「怒」が過ぎると…
・「気」は上がる。
(「怒髪天を衝く」ように、突き上げてくる感じや、
「頭から湯気が出る」ような、ゆらゆらとしたものを観じる。)
・「肝」を傷る。
肝のもつ「気」の疏泄機能に影響し、
気が血を伴って頭に上昇したままになる。
<症状>
・頭痛
・めまい
・目の充血
・脳卒中
・動悸
・不眠など
となります。
次回は、「思」について…です。